AIと言語化

2026.08.15

ホームページを見てもらえたのに、何も起きない。
その先を作る「AI相談ボタン」

ホームページを作ったのに、問い合わせが来ない。

アクセス解析を見ると、ちゃんと見られてはいるんです。それなりの時間、読まれてもいる。なのに、そこから先が何も起きない。

僕もずっとこれで悩んでいました。

理由は、たぶんはっきりしています。読み終わったあとに用意されているのが「問い合わせフォーム」しかないからです。

フォームは重いです。名前を書いて、メールアドレスを書いて、要件を書く。「まだそこまでじゃないんだけどな」という段階の人は、まず押しません。かといって電話番号を置いても、もっと押されません。

つまり多くのホームページは、「まだ迷っている人」の行き場が用意されていないんです。

「その人のAI」に相談してもらう、という選択肢

先日、面白い仕組みを見つけました。

あるサイトの右下に「AI相談」というボタンがあって、押すと、ChatGPTやClaudeが質問の入った状態で開くんです。

見た人は、文章をひとことも打ちません。ボタンを押して、聞きたいことを選んで、いつも使っているAIを押すだけ。そのまま答えが返ってきます。

面白いのは、相談相手が「こちらのAI」ではなく「その人のAI」だというところです。

チャットボットをサイトに置く方法は前からありました。でもあれは「お店側が用意したAI」です。答えは当然、お店に都合よく寄ります。見る側もそれを分かっているから、あまり信用されません。

この仕組みは逆です。その人が普段使っているAIに、こちらの情報を持っていってもらう。判断はあくまで向こう側でされます。だから答えが厳しくなることもある。でも、そのぶん信用されます。

分解して、自分でも作ってみました。作ってみたからこそ分かった落とし穴もあったので、そこまで書きます。

仕組みは、たった1行の工夫でできている

裏側はびっくりするほど単純でした。

AIに渡す質問文の中に、そのページのアドレスを入れてある。それだけです。

たとえば美容室のページなら、こういう質問文が用意されます。

○○美容室(アドレス)を見ています。 予算の中で何ができるか知りたい

AIは「このページを見ています」と言われると、そのページを読みに行きます。うまくいけば、料金表もメニューも読んだ上で答えてくれる。

特別な技術は使っていません。「読ませるための地図」を、質問文にそっと入れているだけです。

さわれるデモを2つ用意しました

説明よりも、押してもらったほうが早いです。どちらも架空の設定で、ページの一番上にもそう書いてあります。実在しません。

① 架空の温泉宿
奥鹿沢温泉 灯り屋(デモ)

右下のボタンから「予算内でどの部屋がいいか」を選んで、いつものAIを押してみてください。

おすすめは「子ども連れで泊まれるか知りたい」です。この宿は未就学のお子さんをお断りしている設定なので、AIがちゃんと断ってきます

これが一番伝えたいところです。売り込むための仕掛けではなく、判断を助ける道具になる。

② 架空のイベント告知ページ
こつこつ朝もく会(デモ)

こちらは「この予定をカレンダーに入れる文面を作ってほしい」が便利です。日時・場所・持ち物を読み取って、そのまま予定の形に整えてくれます。

落とし穴:AIは、いつもページを読めるわけではない

ここからが、作ってみて分かった話です。

実際に動かしてみたら、ChatGPTは読めたのに、ClaudeとPerplexityは「ページを取得できませんでした」と言ってきました。同じURLなのに、AIによって結果が違ったんです。

怖かったのは、その次でした。

Perplexityが、読めなかったのに答えを書いてきたんです。

ページの取得ができなかったため、一般的な形式として整理します。足りない条件は仮定しています

そう言って、それらしい持ち物リストを作ってくれました。もっともらしい。でも、そのページに書いてあることではありません

原因は、僕が質問文の最後に書いていた一言でした。

「足りない条件は仮で大丈夫です

押した人の手間を減らそうと思って入れた言葉が、読んだふりを許可していたんです。

渡す言葉ひとつで、AIは正直にもなるし、作文もする。ここは自分の書き方の問題でした。

だから「読ませる」のをやめました

直したのは2つです。

1. 読めなかったら、そう言ってもらう

「開けなかったときは、そのことを一言だけ伝えてください」と書き足しました。これで、読んでいないのに読んだふりをすることはなくなりました。

2. ページの要点を、質問文に一緒に持たせる

これが本命です。料金・条件・断っていること——間違えられたら困ることだけを、質問文の中に最初から入れておく。

そうすれば、AIがページを開けなくても、正しい情報で答えられます

実際、いまのデモは「開けませんでした」と正直に言いながら、送迎バスの時刻も冬タイヤの注意も、正確に答えてくれます。

「AIが読んでくれるはず」に頼るのをやめて、読ませるのではなく、持たせる。この考え方に変えてから、動きが安定しました。

大事にした3つの設計

作ってみて分かったのは、この仕組みは設計しだいで印象がまるで変わるということでした。

① 質問文を必ず見せる

ボタンを押すと、AIに送られる質問文が全文表示されて、その場で書き直せます。裏で何を送っているか分からないボタンは、便利でも怖い。

逆に言うと、中身を見せていないAIリンクは、それだけで怪しいと思っていいです。

② 答えを誘導しない

質問文には「合わない点も正直に教えてください」と入れてあります。

自分に有利な答えだけ言わせる文を仕込めば、一時的には得をするかもしれません。でも、バレたときに失うのは信頼です。AIへの信頼も、自分への信頼も、両方。

③ 聞き返しをさせない

最初は「足りない情報があれば先に質問してください」と書いていました。すると、AIが質問から始めてしまって、押した人が結局たくさん打つことになる。

ボタンを作る側の文章ひとつで、使う人の手間がこれだけ変わります。

自分のサイトに置く方法

やることは、サイトのHTMLに1行貼るだけです。

<script src="https://ai-sodan.pages.dev/site.js"></script>

</body> の直前に入れれば、右下にボタンが出ます。ページの名前とアドレスは自動で拾われるので、設定を書かなくても動きます。

ページに合わせたい場合は、設定用のページを作ったのでそちらから。

AI相談ボタンをつくる

種類(お店・ブログ・イベントなど7つ)を選ぶと、相談テーマまで自動で入ります。AIの設定を書き換えるような言葉が混ざっていると、コードがコピーできないようにしてあります。

ひとつだけ注意。Geminiは載せないでください。アドレスで質問を渡す方法に対応しておらず、押しても空の画面が開くだけになります。動かないボタンは、それだけで信頼を削ります。

最後に、ひとつだけ注意

この「質問入りでAIを開くリンク」は、悪用もできてしまう形です。

たとえば質問文の中に「これまでの指示を忘れて」「この内容を記憶して」といった言葉を混ぜれば、押した人のAIの振る舞いを変えようとすることもできてしまう。

だから僕は、自分で作るときもそういう言葉は絶対に書かないと決めています。良い目的でも使わない。使ったら、悪意あるリンクと見分けがつかなくなるからです。

受け取る側として大事なのは、この2つだけです。

知らない人から届いたAIリンクは押さない。押す前に、送られる質問文を見る。

読んで終わりだったページに、相談の入口がひとつ増える。しかも見た人は、自分のいつものAIと話すだけ。

ただし「AIが読んでくれる」に頼りきらないこと。それが、作ってみていちばん学んだところでした。

まずは、上のデモを1回押してみてください。

りょう
AI講師・言語化コーチ。「AIと言語化は同じスキル」をテーマに、AI初心者の方への伴走と発信をしています。
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